角度というと小学校の頃にあつかった分度器を思い出す方も多いのではないでしょう
か?
「角度」という単語は一般的な辞書では以下の様に定義されています。
1. 二つの直線や平面が交わって作る角の大きさ。単位はラジアン・度・分 (ふん)
・秒。
2. 物を見る方向。また、物を考える立場。「角度を変えて撮影する」「あらゆる
角度から検討する」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
ここでは、物理測定上の意味を定義する「1.」に関して説明いたします。
一般生活において角度は「度」の単位までの表示を使用することが多いですが、工業計
測においてはその下の単位である「分、秒」まで使用されます。具体的な単位は以下に
記述いたします。
1度:円周の360分の1の角度
1分:1度の60分の1の角度
1秒:1分の60分の1の角度
ただ、分以下の単位となると目視で価を読み取ることは非常に困難になります。
実際に角度の測定する方法に関しては様々な手法がありますが、代表的なものを以下
に例示します。
1.分度器
分度器での測定するメリットとしては何といっても手軽さですが、先述した通り、
目視で測定を行うため分以下の値を測定することはできません。
2.プロトラクター
プロトラクターは金属製の分度器と竿を測定対象に当てて角度を測る測定器具です。
デジタル表示するものもありますが、日曜大工レベルで使用する手工具ですので精度的
には4分の1度程度が限界です。また、測定対象に接触して測定するので小さな物の測定
にも向いていません。
3.オートコリメータ
オートコリメータはレーザー等の光線を測定対象に当て、反射して戻ってきた光線を
カメラ等で受光、その受光位置から対象物の角度(傾き)を非接触で測定する測定機器
です。目視で使用するオートコリメータは0.5分(0.15ミリラジアン)までの角度を測
定でき、電子制御のオートコリメータではその最大100倍の測定することが可能です。
さらに非接触での測定なので非常に小さな物質を測定することも可能です。ただ、光線
を反射させなければならないため測定対象自体が反射する物質であること若しくは測定
対象にミラー等の反射物を設置できることができなければ測定することができません。
通常は、主に光学系や機械系において部品の位置を調整したり、ゆがみを測定したりす
るのに使用されます。
当社では創業(1995年)以来、「3.オートコリメータ」方式の測定機器/チルト
センサを製造・販売をしています。長さ(変位)を非接触で測定する変位計というもの
も世の中にはありますが、対象物が小さい場合は変位の分解能が高くないと角度に換算
するのは難しいことがわかります。当社のチルトセンサは対象物の角度そのものを測定
できるため対象物が1mm程度のものでも測定することも可能です。