社長ブログBLOG

高密度化し続けるHDD

携帯音楽プレーヤーなどの比較的小さな記録媒体用に
小型のHDDが搭載されていた時代がありましたが、
平成が終わり、令和を迎えた今ではパソコンのストレージデバイス
でさえフラッシュメモリー(SSD)に置き換わりつつあります。

HDDはビット単価で比較した場合、SSDに比べるとまだまだ
信頼性やコストが安価なため、データセンターなど大容量が必要な
場面では今現在も広く利用されています。

そんなHDDですが、昨今記録密度を従来よりも向上させる
新技術をもちいたものが市場に投入されるようです。

HDDは記録層の磁石を微分化することで高密度化を実現し
てきましたが、物理的に小さくしすぎると磁石の保持力が
低下するため情報のエラーや記録消失といった問題が発生
してしまいます。

磁石の保持力を維持するためには保持力の強い材料を用いれば
よいのですが、そうすると書込みが難しくなってしまうため、
従来の方式ではこれ以上の高密度化は難しい領域に達していました。

こうした問題を解決するために新しい記録技術が開発されました。
情報を書き込むときだけ一時的に磁石の保持力を下げる技術です。

その手法はMAMRとHAMRという2つの方式があり、どちらも次世代
HDDの技術として注目されているようです。

高密度化高精度化しつづけるHDDは、構成している各種部品の
品質もさらに高いものがもとめられるようになっています。

弊社ではHDDを構成する部品やモーターを非接触で高精度に測定する
手法をチルトセンサや変位チルトセンサ(オートコリメータ)でご提案しています。

精密な角度測定、定量的な角度、変位測定の手法にお困りなこと
などありましたらお問い合わせください。

スピンドルモータの振れ・軸倒れ測定

トピックスNo.0013で紹介している、
高速で回転するスピンドルモータの軸振れと軸傾きを測定する技術を紹介します。

<概要>
高速かつ高精度で回転するスピンドルモータの測定を非接触で行います。
静的な測定はダイヤルゲージなどを用いて測定可能ですが、レーザを用いることで
動的な測定が非接触で行えます。

<測定ニーズ>
①光ディスク、HDDのスピンドルモータ
記憶媒体(ディスク)を回転させ、ディスク上の情報を読み書きする装置。
ディスクの振れが大きくなるとエラーが発生し、読み書きができなくなる。
この為スピンドルモータの測定が必要。

②機械加工機のスピンドルモータ
マシニングセンター、フライス盤、旋盤など工具や加工品をチャッキングして
回転させ加工を行う装置。スピンドルに振れがあると正確な加工ができない。
また振れにより工具や装置の破損につながる。この為スピンドルモータの測定が必要

③ビームスキャンモータ
レーザープリンタやレーザーレーダー等に搭載され、反射ミラーを回転させることで
レーザービームをスキャンするモータ。モーター軸に振れがあると目的の位置に
ビームをスキャンすることが出来ない。この為モータの測定が必要

<測定原理>
スピンドルの振れはスピンドルモータの軸の振れを測定することで検査ができます。
傾きの測定技術としてオートコリメーション法があります。
当社ではレーザを光源としたチルトセンサ(オートコリメータ)を有しており、この技術で測定が可能です。
測定原理はトピックスNo.0016_チルトセンサ を参照ください。

<チルトセンサ(オートコリメータ)のメリット 1>
チルトセンサの測定値は測定距離(ワーキングディスタンス)の影響を受けません。
下の図でa~dは同じ角度の測定対象物とします。
反射光は同じ角度で受光系のコリメータレンズに入射します。
同じ角度で同一のレンズに入射した光は1点で集光します。
集光点の座標が測定角度になりますので本測定原理は測定距離の影響を受けません
ワーキングa

 

 

 

 

 

<チルトセンサ(オートコリメータ)のメリット 2>
1点計測で傾きが求められる。
下左図 通常変位測定で傾きを測定するためには2点案の距離(l)と変位差(Z)を
求め計算する必要があります。
tanθ= z/l にて角度が求められますが、測定間隔lが短くなると分解能が低下します。
この点下右図当社のチルトセンサ(オートコリメータ)は微小面積でも測定が可能であり、測定面積の影響を受けません。

変位計01a

 

 

 

 

 

 

 

 

また、変位計で2軸の傾きを求めるためには3点以上の測定が必要です。

変位計02a

 

 

 

 

 

 

 

 

以上のことから傾きを測定するための方法として
チルトセンサ(オートコリメーション法)は最適と言えます。

<スピンドル測定>
アナログデータ出力10KHzサンプリングに対応した高速のチルトセンサ(オートコリメータ)を使い、
スピンドルの測定面に光を当て反射光の計測を行います。
下の図は振れを持つスピンドルが90度ずつ回転した時の測定について解説したものです。

0013_スピンドル

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この測定をスピンドル回転時に連続して行い、スピンドルの軸振れと軸倒れを測定します。

<アナログチルトセンサ>
スピンドル測定専用ソフトウエアを搭載したアナログチルトセンサ(オートコリメータ)についてご紹介します。

・主な仕様
測定範囲  : ±60分(±1度)
分解能   : 0.001度(0.06分)
サンプリング: 10,000回/秒
センササイズ: W100×D150×H56mm
質量    : 約800g

・高速測定
当センサは毎秒10,000サンプリングが可能です。
スピンドル測定は実使用回転数でないと発生しない振れがあるため
測定は実回転数での測定が要求されます。その回転は極めて高速です。

例)3,600rpmで回転
  3,600rpm = 60rps
  10,000サンプリング ÷ 60回転 ≒ 167サンプリング/回転
  360度 ÷ 167サンプリング ≒ 2.2度毎の測定が可能。

・分解能
 0.001度の分解能を変位に換算。
 スピンドルの支点から10㎜の位置での変位量  : 0.2um
     〃     100㎜   〃     : 2um

測定スピード、分解能とも十分な性能を有しているのがお分かりいただけると思います。
サンプル測定などがありましたらご協力いたします。フォームよりご連絡ください。

軸外収差測定-2

光を用いてデータを記録、再生する仕組みをもつものは
様々ありますが、CDやDVDなどの光ディスクもその一つです。

今となってはコンシューマーマーケットにおいて半導体メモリに
主役を奪われていますが、ビデオレコーダーやゲーム機などに搭載され、
またデーターセンターなどでは信頼性の高いメディアとして重宝されています。
この光学ドライブ装置の中にデータを読み書きする光ピックアップという
モジュールが搭載されています。

過去弊社では光ピックアップの性能を光学的に評価する
装置を扱っていました。

光ピックアップは極めて小さなビームスポットを作り出す
必要があり、このスポット像を解析することで、光学的な
エラー(収差)を解析し、光ピックアップの性能を評価していました。

光ピックアップ時代はツェルニケの多項式をもちいて
非点収差、コマ収差、球面収差の解析を行っていました。

光ピックアップは単にビームスポットを作り出せばよいため
収差の測定は軸上だけで問題ありませんでした。

しかし、映像を撮るためのカメラモジュールなどは軸上
だけではなく、軸外の確認が当然必要になります。

カメラモジュールはMTFで評価することが一般的ですが、
MTFの測定値はカメラにおける体力測定であり、
セットメーカーにとっては便利な数字です。

しかし、レンズメーカーにとってはレンズのどこが
どのような状態なのかといった解析ができず、
製造工程に対しては有益な測定値にはならないのが
現状です。

レンズだけに着目した場合、カメラモジュールに組み上げる前
段階で、軸上、軸外の収差を定量的に測定できればレンズ単体の
品質管理およびレンズの製造工程へフィードバックをかけられる
などのメリットが生まれます。

レンズの収差を測定する手法は波面干渉計などもありますが、
光軸外の収差を測定するには測定物のセッティングが難しく、
測定再現性がとれない等、汎用性は限られてきます。

そこで当社では軸外収差も軸上収差と同じ分解能で同時に
測定ができる装置の開発を引き続き行っています。

LiDAR(Light Detection and Ranging)

車の運転支援や自動運転に必要なデバイスは
例えば物体の距離や方向を検知するために使われる
LiDAR(Light Detection and Ranging)、やミリ波レーダ、
道路の白線、交通標識を検知するためのカメラなどがありますが、

その中でも自動運転には必須といわれているLiDARは
アポロ15号の時代でも使われた数十年の歴史がある技術です。

アポロ15号で使われたLiDAR技術は地球と月の距離を測定するために
使われましたが、現代では車と物体の距離を測定し自動運転を実現する
手法として研究開発が進んでいます。

LiDARはパルス状の赤外線を発射し、周りの物体から反射して戻ってくるまでの
時間を測定することで、周りの状況を検知しています。
この測定間隔は実に1秒あたり数百万回行われているそうです。

今現在作られているLiDARの一部は投光部、受光部それぞれの品質に
ついてはあまり問われることがないようで、トータルでの性能に問題が
なければ良しとされていることがあるようです。

その昔、CDやDVDなどの光学ピックアップが数多く作られていた時も
個々の品質ではなく、トータルで問題なければよしとされていた
期間がありましたが、高性能なものが求められるようになるにつれて
やはり個々の性能をきちんと測定する手法が必要になった経緯が
あります。

今後のLiDARの技術開発にも同じことがいえるのではないかと
考えております。

弊社ではレーザ光の測定技術や、受光部の調整技術など、
各種光学測定手法を有しております。

LiDAR開発においてお困りな点、測定テーマなどありましたら
ご相談ください。

レーザ光源の調整

レーザ光源の調整用光学センサについて紹介します。

<概要>

近年半導体レーザ(LD)を新たな分野に採用する事例が増えています。
レーザ光源の基本はLDとレンズというシンプルな光学部品で構成されています。
しかし、出射するビームの性能を最適化するためには、LDとレンズの位置を
高精度に調整する必要があります。

当社では、光ピックアップ
(DVDやBDドライブ内で光ディスクの信号を読み書きする光学ユニット)
で培った技術を生かし、様々なレーザ光源の調整に対応した光学センサ
および調整装置の提案をしております。

<レーザ光源採用機器>

①レーザーレーダ(LiDAR)

レーザービームをスキャンして物体の有無とその物体までの距離を測定する光学ユニットです。
搬送機器や輸送機器等の自動運転には欠くことのできないセンサと言われています。
投光部にレーザ光源を搭載しており、輸送機器では最長100m以上の距離で投光ビームを
最適化する必要があります。この為レーザ光源は高精度に調整が必要となります。

②レーザーライト(レーザーヘッドライト)

LD光の集光点に蛍光材料を配置し、その点を発光元とした投光器。
輸送機器などより遠くまで高輝度の光を照射したい用途に有効と言われています。
発光元を小さくすることでより遠方まで高輝度で照明できるためLD光を効率良く集光
させる必要があります。この分野でもLD光源を高精度に調整する需要があります。

<LDとレンズ>

LDは強度分布を持った発散光を出力します。
この光源とレンズの位置関係でレーザ光源から出射されるLDの状態が変化します。

ここではそれぞれのケースでどのような状況が発生するか解説します。

①LDとレンズの間隔(Z位置またはフォーカス)

LDとレンズの間隔が変わると出射されるLD光は収束光、平行光、及び拡散光となります。
それぞれの状況を以下に示します。

平行光モデル図

 

 

 

 

 

 

 

 

(a)はレンズの焦点距離よりLDが遠くにある場合。
この場合、レーザ光源から出射される光は収束光になります。

(b)はレンズの焦点距離にLDがある場合。
この場合、レーザ光源から出射される光は平行光となります。

(c)はレンズの焦点距離よりLDが近くにある場合。
この場合、レーザ光源から出射される光は拡散光となります。

当社では測定光が収束光、平行光、拡散光のどの状態にあるのかを検出可能な光学センサの
ご提案が可能です。

②LDとレンズの位置(X,Y位置)

レンズの光軸上からLDがずれた位置に来ると出射される光はレンズの光軸に対し
傾いて出射されます。(下記参照)

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実際にはレーザ光源の筐体(の一部)が基準面となっている場合が多く、
その基準面に対する光の角度を調整します。

当社ではレーザ光源の光軸測定を行う光学センサの提案が可能です。

③LDとレンズの傾き(θX,θY)

冒頭に説明しましたが、LDは拡散光であり強度分布があります。
理想的なLDは最大強度の位置とレンズの中心が一致している状態です。
この状態に調整するとレーザ光源は最大効率で光を出射できます。
最近のレーザ光源搭載機器は光強度(パワー)を要求されることが多く、
傾き調整を行う事案が増えています。

当社ではレーザ光源から出射される光の強度分布を測定し、
LDの傾き調整を行う光学センサを提案が可能です。
LDの傾きと光の関係を以下に示します。

 

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(b)のケースですが、LDが傾くとレンズの中心からずれた位置を最大強度部分が通過する為
レーザ光の中心と最大強度がずれてしまいます。
(a)の様にLDの傾きを調整することでレンズ中心と強度中心を合わせることが可能です。

④LDの回転(θZ)

高出力のLDは発光面積を大きくしてパワーを大きくしています。
この場合発光点は点ではなく、楕円となります。
楕円の状態はレンズを通しても同様な特性が保持される為、
LDの回転調整を行う場合もあります。

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当社では光の強度分布のデータから回転方向の測定、調整を行うことが出来る
センサの提案が可能です。

当社はレーザ光源調整に関連する数多くの技術、実績があり、
お客様が望まれる仕様に合わせたセンサのご提案が可能です。

レーザ光源の調整、測定でお困りのことがありましたらフォームからご相談ください。

自動運転

日本の自動運転の定義はアメリカの非営利団体(SAE International)
の定義を採用しています。

レベル0~5の6段階に分けられており、内容は次の通りです。

レベル0 ドライバーがすべてを操作する。

運転支援、自動制御などのシステムは介入せず、ドライバーがすべての
運転制御を実施するもの。

完全に手動で運転するものになりますので、運転に関しては
センサーを搭載していない車といったところでしょうか、

レベル1 運転支援、自動制御のシステムにより、ステアリングの操作、
加速、減速のどちらかをサポートするもの。

ステアリングの操作は、車線から外れた場合に位置を補正するもの、
走行中に前の車と一定の距離をおいた状態で自動で速度を調整するもの
などで、自動運転ではなく、運転支援技術と呼ばれています。

レベル2 部分的に自動運転が可能
加速、減速の前後の制御とステアリング制御による左右の監視と制御の
両方をシステムが対応する。

このレベルまでが自動運転の主体は人になります。

レベル3 緊急時以外は車が自動で制御

ドイツで発表されたAudi A8がレベル3の自動運転を搭載していますが、
日本ではまだ法整備の問題もあり、日本での発売は未定です。

レベル4 特定の場所で車が自動で制御

高速道路などの特定の場所に限り、周りの状況を認識し、運転に関わる
制御を行います。緊急時の対応も行うもの

レベル5 場所の制限なく自動で制御

このレベルになると、人が運転する必要がなくなるため、
運転制御に必要な装置はすべてなくなったものになります。

弊社では自動運転で必須といわれているデバイス、LiDAR開発に
欠かせない光学測定技術を有しております。

LiDAR開発においてお困りな点、測定テーマなどありましたら
ご相談ください。

LCDモニタ(FH-5150)メモリフィルム対応終了のお知らせ

aaa_Infomation

 

 

拝啓、貴社益々のご清栄の程、お慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを頂き、厚く御礼申し上げます。

掲題の件、弊社製チルトセンサと合わせて販売しておりました
メモリフィルム付きのLCDモニタですが、生産設備の老朽化により
新規の生産が不可能なことから2018年2月を持ちまして対応を
終了させていただきました。

メモリの代替案としましては画像処理ユニットを用いる手法、
角度校正用2点間隔クサビガラスを用いてお客様ご自身でメモリを
作成する手法などの対応となります。

ご不便おかけして申し訳ございませんが、
ご承知いただけますようお願いします。

なお、メモリフィルムなしのLCDモニタは引き続き販売を継続いたします。

(詳細はお問い合わせいただけますようお願いします。)

カメラモジュールの調整・検査

カメラモジュールの調整、検査にチャートを使わずに行う手法を開発しました。

<概要>
一般的にカメラの検査を行うには基準パターンを描画した
チャートを撮影して解像度の測定を行います。

また、カメラの調整を行うにも解像度を測定し、その値が
最良になるようレンズと撮像素子の位置関係を調整します。

しかし、この方法は実際に物像距離にチャートを配置する必要が
あるため装置が大型になります。

当社ではカメラモジュールの調整・検査装置をコンパクトに出来る光源を開発しました。

<チャート使用のデメリット>
①チャート設置距離が長くなる。→ 装置が大型になる。

カメラはレンズや撮像素子の仕様により、調整・検査に最適な実像距離が
決められます。一般的には、調整、検査を行う場合この実像距離にチャートを
配置します。

実像距離はレンズの焦点距離の自乗に比例し、撮像素子の1画素サイズや
レンズのF値に反比例して長くなります。

つまり、遠方を観察する望遠系は長くなり、
またカメラの性能が上がる(画素サイズが小さくなる。F値が小さくなる。(=明るくなる))
と実像間距離が長くなります。

よって、チャート設置距離も長くなります。

この距離をL∞で示します。

L∞ : 一般的にカメラ調整を行う場合の実像距離。
通常はL∞距離にチャートを置きピント等が合う様レンズと撮像素子の位置関係を調整します。
その調整を行うことで L∞ × 1/2 から ∞ までピントが合うカメラを作成することが
可能となります。

L∞= f2  ÷ (σ×F)
f:レンズの焦点距離
σ:撮像素子の1画素サイズ
F:レンズのFナンバー

例)レンズとカメラの仕様をf=5㎜ σ=2.5um(0.0025mm) F=1.8とします。
L∞=5,555.55…㎜

以上の計算結果から、カメラから約5.5mの位置にチャートを置く必要があります。

②チャートが大きくなる。
撮像素子が高画素化することで広角レンズを使い、広い視野で解像度の高い画像を撮影することが
出来る様になってきました。 広角レンズは画角が広いためチャートも大きくする必要があります。

③チャートの管理が必要
チャート設置場所の照明等環境の変化がカメラで測定する解像度値に影響を与えます。
長期的にはチャートの汚れ、傷などが発生した場合は正確な測定・調整が出来なくなります。

当社では①~③にのデメリットを解決すべくLED光源タイプのチャートを開発しました。

<LED光源の開発>
装置の大きさを1m3以内にすることを目標に光源を設計開発しました。

①対象となるカメラのL∞に合わせた光源が作成できること。
②無限遠からのパターンも投影できること。
(任意の実像間距離(∞を含む)にあるチャート像と同条件でパターンを投影可能)
③光源の大きさを最小に
④投影するパターンの変更を可能に
⑤複数の光源を1台のコントローラで制御できるように

それらを踏まえ開発した製品仕様

光源ヘッド
光源  : 白色LED
有効系 : φ24mm
外形寸法: φ32×153mm

コントローラ
最大制御ヘッド数 : 17台

光源実物a

 

 

 

 

 

 

バックフォーカスの調整に

チャート

 

 

 

解像度検査に

解像度検査

 

 

 

 

 

 

 

 

<マニュアル調整にも対応したLD光源の開発>

一般的にはカメラの調整を行う場合には先に記述のとおり、
チャートを使い解像度を測定し、レンズと撮像素子の位置関係が最適な状態に調整します。

スマートフォンに搭載されているカメラの様に同じ製品を大量に製造する場合は装置を
専用化し自動調整することでコストパフォーマンスが得られます。

しかし数がそれほど多くない多品種少量のカメラ製品や試作品などを調整する場合は、
自動化するほどコストをかけられないためマニュアル調整を行いたいものです。

当社ではこのような要望に対しレンズと撮像素子の間隔を測定可能な
レーザー光源を開発しました。

→チャート法はなぜ自動調整なのか。

下図に解像度、レンズ、撮像素子間隔の関係をグラフ化したものを示します。

解像度グラフ

 

 

 

 

 

 

 

 

解像度は撮像素子やレンズの仕様、性能によって最良点の数値は変化します。
その為今調整している撮像素子とレンズの位置関係が最良な状態なのかは
1ポイントの解像度測定値を見てもわかりません。

通常は最良点を通過するまで撮像素子とレンズの位置を移動させ求めます。
この方法では光軸方向に撮像素子とレンズの間隔を変え何点か解像度を測定、
それらのデータを解析し最良ポイントを計算します。

その間隔に自動ステージ等を用いて移動させ調整を行います。
定量的な間隔調整をしなければならないので自動ステージが必要です。

この為、チャート方式によるカメラ調整機は高価な自動調整機が多数を
占めています。

チャート法の欠点はレンズと撮像素子の間隔に対し解像度が非線形で
あるため自動調整が必要になります。

したがって、間隔と測定値が線形の物を開発すればマニュアル調整が
出来ることになります。

当社では撮像素子とレンズの間隔に対しリニアな特性を持つLD光源を開発しました。

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この光源を使うことで現在の測定値からどれくらいどちら方向に動かせば
最良点に到達できるかをリアルタイムで判断できます。

調整者はあとどれくらい動かせばレンズと撮像素子の位置関係が最良になるか
リアルタイムで判断ができます。この為、マニュアル調整も可能となります。

ここで使用しているLD光源の詳細情報を以下に示します。

 

カメラa

 

 

 

 

 

 

 

 

 

LD光源から出射した光はカメラの撮像素子上で結像します。
そのビームスポットの形状がポイントです。

当社のLD光源は非点格差の成分を持った光を射出します。
その光を被検カメラで撮影すると上の図の様な形になります。

レンズと撮像素子の間隔が近すぎると(a)の状態、縦長のビーム形状に、
反対に遠すぎると(c)の状態、横長になります。ビーム形状を(b)の状態、
真円にすることでレンズと撮像素子の間隔を最良にすることが出来ます。

この方法によりレンズと撮像素子のフォーカス調整を行うことが出来ます。

次にレンズと撮像素子の傾き調整です。

カメラキャプチャ

 

 

 

 

 

 

 

 

傾き調整は2台のLD光源を使います。

それぞれレンズの画角内で斜め方向から入射します。
レンズと撮像素子が傾いた状態(a)だと2つのLD光源のビーム形状が
異なる形状になります。

これは撮像素子が傾くことで撮像素子とレンズの間隔が2つのLD光源の
光軸上で異なった間隔となるからです。

この間隔を同じにすることで撮像素子とレンズの傾きを合わせることが出来ます。
この調整をX,Y軸について行うことで2軸方向の傾きが完了します。

最後にX-Y-θ調整です。

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カメラに対し2本以上のLD光源を入射します。
上記の図はレンズ光軸上①と軸外②からLD光を入射した状態です。

撮像素子が光軸中心からずれている(X-Y方向)場合、(a)の様に①の
スポットが中心からずれた位置に結像します。

また、撮像素子が回転(θZ)している場合は①と②の座標関係も回転します。
①と②のスポットが既定の座標に来るようにX-Y-θZ調整を行うことで、
撮像素子のずれを調整することが可能となります。

カメラキャプチャ02

 

 

 

 

 

 

 

 

以上X-Y-Z-θX-θY-θZの6軸同時調整を行うためには
5つの光源を同時に入射することで可能です。

当社では5つのLD光源のスポット画像を解析し、6軸それぞれ撮像素子と
レンズのずれ量を定量的に測定表示するプログラムを開発、提供しています。

それぞれの測定値は以下の単位系にて測定値を表示します。

• 焦点位置 : Z(um)
• 傾き   : θX-θY(deg)
• 位置   : X-Y(um)
• 回転   : θZ(deg)

5光源実物

 

 

 

 

 

 

 

 

チャート法に代わるLED光源とLD光源の紹介をしました。
これら2種類の光源は組み合わせて使用することも可能です。

例えば、カメラのマニュアル調整 + 解像度検査装置なども実現することが可能です。
貴社のご用途に合わせて様々なご提案が可能です。ご興味
おありでしたらフォームよりお問い合わせください。

粗面のチルト測定(オートコリメータ法)(その1)

<概要>
ガラスなどの鏡面ではなく、未研磨の金属面など粗面を
非接触で角度測定する方法を開発しました。

従来鏡面のチルト測定ではオートコリメータ法によるリアルタイム測定を行ってきました。
しかし、粗面は正反射光成分が弱く、従来のレーザを用いたチルトセンサでは測定ができませんでした。

今回粗面の反射光を使い、リアルタイムにチルト測定を行うことが出来るようになりました。

<開発結果>
可干渉性の低い光源を採用することで粗面の測定が可能となり、今まで不可能であった
測定物の角度測定が可能となりました。

実験にはアルミの板材を使用しました。
名称未設定 1

 

 

 

 

 

 

開発したチルトセンサ(オートコリメータ)で測定、測定物を定量的に傾け、その傾けた量と
測定値の比較を行いました。

結果を以下に示します。

名称未設定 2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

測定誤差としては0.02度以内で測定レンジは±1度を確保しました。
また、測定は毎秒10回以上とほぼリアルタイム測定を実現しました。

過去に測定ができなかった測定物を開発したチルトセンサ(オートコリメータ)で測定し、測定が可能となりました。
今後セラミック基板やパッケージ、切削や研磨傷のある素材などを測定可能にすべく
開発を続けてまいります。

角度測定されたい粗面のサンプルなどございましたら下記よりご連絡ください。お待ちしております。

干渉計を使わない平行度10秒以下の高精度測定

<概要>
ソリッドエタロンなど両面を研磨された部品の平行度測定を行う装置を開発しました。
代表的な測定方法としては干渉計を使った方法が有りますが、短時間で簡単に測定する方法として
レーザーチルトセンサ(オートコリメータ)を使った方法を提案します。

<開発結果>
測定面は研磨されていますが反射率が低い場合が多いため輝度の高いレーザーのチルトセンサ(オートコリメータ)を使います。
レーザーチルトセンサ(オートコリメータ)
は反射率数%あれば測定可能です。
また価格も干渉計に比べると安価です。

簡単且つ短時間で測定するには測定物を置くだけで測定が完了できることが最良と考え、
2台のレーザーチルトセンサ(オートコリメータ)を測定物を挟み込む位置に配置することとしました。

しかし上記配置の場合表面反射と裏面反射が重なってしまい、測定が困難。
測定物を透過したレーザーがもう一方のセンサに入射してしまい測定ができません。

通常一般的なオートコリメータの場合測定光を測定物に対し垂直にあてます。
この場合、測定面(表面)を透過した光が裏面に到達し、反射光が光学センサに返ってきます。
この光が測定に影響を与える為正確な測定ができなくなります。(下図参照)

名称未設定 2

 

 

 

 

 

今回の装置は両方から光学センサで測定物を挟み込む配置なため
2つのセンサから射出したレーザーは同一光軸上を通ります。
すると一方の光学センサの測定光が測定物を透過してもう一方の
光学センサに入射してしまい、測定に影響をあたえてしまいます。
(下図参照)
名称未設定 3

 

 

 

 

 

以上のことから一般的なオートコリメータでは今回の装置には使うことが出来ません。
この問題を解決する為に測定光を測定物に対し斜めにあてることで
裏面反射と透過光による影響を除去した光学センサを開発することとしました。
(下図参照)

名称未設定 4
 

 

 

 

この光学センサ2台で測定物を挟み込むように配置することで測定物を置くだけで
平行度10秒以下の高精度測定可能な装置の開発に成功しました。

このような測定手法に
ご興味おありでしたら下記よりご連絡ください。