平行度センサ(平行度チルトセンサ)
当社は、チルト測定を得意とするメーカーとして、長年にわたり高精度な角度計測技術を培ってきました。従来、平行度や直角度の評価にはオートコリメーターを用いた精密測定が一般的であり、当社においても、レーザータイプのオートコリメーターに光学オプションを組み合わせることで、平行度測定を実現していた時期がありました。
一方で、平行度の確認方法としては、現場によって感圧紙を用いた確認が行われるケースもありました。この方法は手軽に接触状態を確認できる反面、平行度を数値として評価することができず、作業者の判断に依存しやすいという課題がありました。また、測定結果をデータとして記録・管理することが難しく、履歴の活用や定量的な比較ができない点も、品質管理や保全の面で課題となっていました。

オートコリメーターを用いた方式は高精度な測定が可能である一方、レーザー光源や光学オプションを含めた装置構成が複雑になりやすく、調整や取り扱いに一定の熟練を要するという側面がありました。また、構成上、装置全体が大型化しやすく、設置スペースが限られる装置内部や現場での組み込み用途においては、必ずしも適した方式とは言えないケースもありました。
当社自身が開発・検証を進める中では、二つのスポットを別々のスポットとして安定して識別するための光学構成や信号処理について、さまざまな技術的検討と試行錯誤を重ねてきました。スポット形状や光量差、外乱光の影響などを考慮しながら工夫を重ねましたが、平行度が向上するにつれて二つのスポットが互いに近づき、最終的には重なってしまうため、画像処理による識別が困難になるという課題にも直面しました。
その結果、平行度が良好な状態ほど測定自体が成立しなくなるという、測定原理上の矛盾が生じるケースもありました。


この「二つのスポットをいかに安定して識別するか」という課題への取り組みは、そのまま平行度センサ開発の歴史でもありました。


方式の検討、光学構成の見直し、信号処理手法の改良を重ねながら、平行度を安定して評価するための最適なアプローチを模索し続けてきました。
こうした経験を踏まえ、私たちはチルト測定技術を別の視点で捉え直しました。単に角度を高精度に測るのではなく、「傾きから平行度を評価する」という考え方です。この発想から生まれた製品は、当初「平行度チルトセンサ」という名称で展開されました。チルト測定技術を基盤としながら、平行度を数値化するという新しいアプローチを示すものでした。
しかし開発と改良を重ねる中で、製品の本質は次第に明確になっていきました。ユーザーが求めているのはチルト値そのものではなく、対象物が基準に対して平行であるかどうかを、簡単かつ安定して判断できることです。そこで私たちは、チルトはあくまで手段であり、提供すべき価値は平行度そのものであると考え、製品名称を現在の「平行度センサ」へと変更しました。
現在の平行度センサは、光学センサを用いた非接触測定により、対象物に影響を与えることなく平行度を評価できる構成となっています。初期モデルで得られた知見をもとに、温度変化や設置条件による影響を抑える設計改良を重ね、「誰でも簡単に安定した精密測定が行える」製品へと進化してきました。
オートコリメーターの代替、あるいは補完として、装置据付や保全、精密機器の調整など、使い勝手と測定性能の両立が求められる現場で活用されています。私たちは今後も、測定技術そのものだけでなく、「何を測るべきか」「どのように使われるべきか」という視点を大切にしながら、精密測定技術の新しい価値を提案していきます。
2014年~ 平行度チルトセンサ / KW-0001 ※廃版

2023年~ 平行度チルトセンサ / KW-0003 ※特注品
光電融合のデバイス調整用光学センサー

2025年~ 平行度センサ / KW-0004 ※コンセプトモデル

2026年~ 平行度センサ ※開発中
