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ダイヤルゲージとは?基礎から測定手順・注意点まで解説

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ダイヤルゲージとは、機械加工や製造現場でわずかな寸法変化を正確に測定するために用いられる計測工具です。スピンドル式やてこ式などの機構を通じて変位量を拡大し、メモリやデジタル表示で読み取れるのが大きな特長です。微小なズレを見逃さず拾えることから、高精度な製造や検査を行う際に欠かせない存在となっています。

とりわけ加工品の平面度や回転体の振れ、同芯度など、製品の幾何公差を厳密にチェックするシーンでよく活用されます。ハウジングや軸の取り付け状態を確認したり、他の測定器の補助として使う例も多く、広い応用範囲を持ちます。用途に合わせて最適なタイプを使い分けることが精度維持のカギです。

本記事では、ダイヤルゲージの基本構造や種類、具体的な測定方法から、使用時の注意点、さらにトラブル対策や関連する測定器まで幅広く解説します。初心者の方でもわかりやすいよう平易な言葉でまとめていますので、ぜひ測定現場や品質管理に役立ててみてください。

ダイヤルゲージの構造と各部の名称

まずはダイヤルゲージの基本的な構造と主要パーツを押さえましょう。

ダイヤルゲージは、外枠と呼ばれるボディの中にスピンドルや歯車などの機械部品が組み込まれています。測定対象に当てる測定子がスピンドルを上下させ、その移動量を歯車機構で増幅し、目盛板や針に伝えて変位量を表示します。これらの部品が正しく連動することで、微小な変化を拡大して把握できる仕組みとなっています。

アナログ式の場合は短針と長針がそれぞれ異なる目盛りを指し示し、全体の変位量を一目で分かるようにしています。デジタル式では内部のエンコーダによってスピンドルの移動を数値化し、液晶画面などに直接表示します。構造上はアナログ式もデジタル式も基本的な測定原理は共通で、用途や好みに応じて使い分けられています。

ダイヤルゲージを構成する主なパーツ

ダイヤルゲージは外枠、目盛板、長針・短針、スピンドル、測定子などのパーツで構成されます。測定子が対象物に触れるとスピンドルがわずかに移動し、内部の歯車でその変位量を拡大して針に伝えます。精密な歯車のかみ合いが重要で、動きがスムーズであるほど再現性の高い測定が可能となります。

ダイヤルゲージの特徴と種類

ダイヤルゲージには様々なタイプがあり、特長や用途に合わせて使い分けることが重要です。

一般的にダイヤルゲージというと、スピンドルを押し込んだ量を歯車で増幅して読み取るスピンドル式が多く使用されています。一方、細かな凹凸の測定や回転面の振れ点検など、複雑な測定条件ではてこ式ダイヤルゲージのほうが適している場合もあります。測定範囲や測定精度、取り付け可否などを考慮して最適なタイプを選ぶことが大切です。

近年はデジタル式の普及も進んでおり、正確な値を数値表示しながら、ゼロリセットやデータの取り込み機能など、多彩な機能を備えた機種も登場しています。一目盛の最小表示が微小なものほど管理や取り扱いもシビアになり、定期的な点検やキャリブレーションが欠かせません。自社の測定環境や作業条件に合ったダイヤルゲージを選ぶことで、測定の効率と精度が高まります。

スピンドル式ダイヤルゲージの特長

スピンドル式ダイヤルゲージは、最もオーソドックスなタイプとして知られています。スピンドルが対象物に押されて内部のラチェットや歯車を回転させ、その結果目盛板上の針が変位量を示します。比較測定や基準位置を定めやすいため、多くの現場で汎用的に使われているのが特長です。

てこ式ダイヤルゲージ(テストインジケータ)の特長

てこ式ダイヤルゲージは、先端のてこをわずかに動かすだけで大きく目盛りが振れる仕組みを持ち、微小な凹凸や穴径などにもアクセスしやすい特性があります。狭いスペースや球面形状、あるいは複雑な形状を持つ部品の測定に適しており、スピンドル式では難しかった箇所の評価を簡便に行えます。非常に繊細な動きをするため、取り扱いには注意が必要です。

デジタルインジケータの特長

デジタルインジケータは、アナログの針ではなくデジタル表示で測定値を読み取るため、数値の管理や再設定が効率的に行えます。ゼロセットや絶対値モードの切り替えがボタン一つでできたり、パソコンや他の測定器にデータを出力できる製品も存在します。校正や検査の記録を自動化できるケースもあり、精密測定やトレーサビリティを重視する場面で重宝されています。

ダイヤルゲージの測定方法

実際にダイヤルゲージを用いて寸法を測定する際の基本的な手順やアプローチを紹介します。

ダイヤルゲージは単体では測定ができないため、マグネットスタンドや定盤などに取り付けて使用するのが一般的です。測定前には、ゲージが正しく動作するか、スピンドルや測定子に異物やキズがないかを確かめる必要があります。測定時は対象に対して測定子が直角に当たるよう調整し、読み取り値が安定するまで待ってから数値を記録すると、精度の高い結果が得られます。

複数の地点を測定する場合は、測定ごとに基準を合わせなおす、あるいは相対的な変化量によって差異をとるという方法を使い分けると便利です。回転物の振れを測定する場合は、軸を回しながら針の振れ幅を最大値と最小値でチェックすることが多いです。狙った部位や評価したい寸法特性に応じて、事前に実施すべき検証手順を考えておくとスムーズに進められます。

平面度の評価・測定手順

平面度を調べるときは、まず定盤など平滑で安定した基準面にダイヤルゲージを取り付けます。測定子が測定対象物の表面をなぞるように動かし、その時の指示値の変化幅を記録します。変化が大きい部分があれば、そこが凹凸になっている可能性があるため、面の均一性を確認する際には複数の位置で測定することが重要です。

振れ測定・比較測定の手順

回転している工作物や軸の振れ量を測定する際は、マグネットスタンドなどでゲージを固定し、測定子を対象表面に軽く接触させます。対象を回転させながら、針の最大値と最小値の差分を「振れ」として評価します。また、複数の製品を比較する場合は、一つ目を基準にし、次の製品の指示値との差を読み取ることで、ばらつきを把握できます。

同軸度や芯出しの測定方法

同軸度を確認するには、工作物や治具の中心軸にダイヤルゲージを取り付け、ゆっくりと回転しながら針の振れをチェックします。芯がしっかり取れていれば針の振れ幅は非常に小さく、軸ブレが大きければ振れ幅が大きくなります。芯出しの調整は時間がかかりますが、精度の高い加工や組立を実現するうえで非常に重要な工程です。

ダイヤルゲージを使う際の注意点

精度を保ち、正しい測定を行うために守るべきポイントや注意事項を解説します。

まず、ゲージを落としたり強い衝撃を与えたりすると、歯車やスピンドルが損傷し、測定誤差の原因になります。使用前には目盛りのゼロ位置やスピンドルの戻りを確認し、異常があればメンテナンスや修理を検討しましょう。特に精密部品であるてこ式ダイヤルゲージの場合は、小さな異物やほこりが入るだけでも動作不良につながるため、保管には細心の注意が必要です。

また、正確な測定を行うには温度や湿度の管理も大きく影響します。極端に高温や低温、湿度の高い環境で使用すると、金属部品の熱膨張や結露によるサビが精度を損ねるリスクがあります。定期的な清掃と点検によってダイヤルゲージ本来の性能を保ち続けることが大切です。

ダイヤルゲージ測定におけるトラブル事例と対策

測定結果に誤差が生じた場合やトラブル発生時に考えられる原因と対処法を紹介します。

よくあるトラブルとしては、目盛りが正しくゼロに合わず初期値がずれているケースや、内蔵歯車の摩耗によって針の戻りが鈍くなるケースが挙げられます。こうした問題の多くは、定期的な校正や適切な注油、清掃によるメンテナンスで防止可能です。万が一、目盛りのずれや返り不良が起きた場合は、まずは異物の有無をチェックし、それでも直らない場合はメーカーや専門業者による修理を検討しましょう。

測定対象の取り付けが不十分で振れが大きくなる場合も誤差の原因です。マグネットスタンドの吸着力が弱かったり、対象物が安定せずに動いたりすると、実際の寸法変化よりも大きな指示値が出ることがあります。対象とゲージの固定を見直し、正しい姿勢で測定できているかを点検することが大切です。

ダイヤルゲージ以外の測定器・応用製品

ダイヤルゲージと原理や用途が類似する、あるいは組み合わせて使用する機器を紹介し、応用範囲を広げます。

ダイヤルゲージと組み合わせてよく使用されるものに、シリンダーゲージやシックネスゲージなどがあります。これらは主に内径や板厚などを細かく測定できる製品で、測定範囲が狭い分だけ高精度を狙える特徴を持っています。このほか、測定台と組み合わせて比較測定を行ったり、工作機械に装着して芯出しに活用するケースも見受けられます。

デジタル式ダイヤルゲージの進化に伴い、ワイヤレス通信やデータロガーとの連携が可能な機器も増えています。加工現場のIoT化や品質管理システムの自動化が進む中で、こうした機器を積極的に導入することでミスや手間を削減し、より高い生産性と品質を両立させることが期待できます。

まとめ

ダイヤルゲージは、機械要素の寸法や形状、振れ、平面度などを高精度に評価できる、製造現場に欠かせない計測工具です。スピンドル式やてこ式、デジタル式といった多様なタイプがあり、用途や測定条件に応じて使い分けることで、日常的な品質管理や比較測定を効率よく行うことができます。

一方で、測定対象が大型化した場合や、より厳密な角度精度・直進性・平行度・姿勢誤差などを評価したい場面では、接触式であるダイヤルゲージでは限界が生じることもあります。特に、サブミクロンレベルや秒角単位の精度が求められる光学部品、精密機構、組立工程では、非接触かつ高分解能な測定手法が有効です。

カツラ・オプト・システムズでは、こうした高精度要求に応える計測手段として、レーザータイプのオートコリメーターを提供しています。
チルトセンサ(レーザーオートコリメーター)は、非接触で角度や姿勢の微小変化を高分解能で測定でき、ダイヤルゲージでは評価が難しい直進性・平行度・直角度などの幾何精度測定に威力を発揮します。

ダイヤルゲージによる日常的な管理から、レーザーオートコリメーターを用いた高精度評価まで、測定目的に応じて適切な計測手段を選択することが、品質向上と工程安定化の重要なポイントです。
より高度な精度管理や光学的な計測が求められる場面では、ぜひカツラオプトのレーザーオートコリメーターをご検討ください。