レーザーセンサーとは?仕組み・種類・用途・選び方
レーザーセンサーは、レーザー光を対象物に照射し、反射光(または透過光)を検出して「有無」「位置」「距離」「変位」などを非接触で測定するセンサーです。
高い指向性と微小スポットにより、光電センサーよりも高精度・長距離・小物体の検出に強みがある一方、対象物の反射特性や安全対策など注意点もあります。
本記事では、レーザーセンサーの仕組みから測定方式の種類、用途、選び方、設置・トラブル対処、安全・保守までを体系的に整理します。
レーザーセンサーの概要とできること
レーザーセンサーが「何を」「どの程度」できるのかを先に押さえると、方式選定や導入検討がスムーズになります。
レーザーセンサーは、対象物に触れずに「ある・ない」を検出したり、距離や高さ、段差、位置ズレなどの数値を測ったりできます。接触式ゲージのような摩耗が起きにくく、動いているワークでも連続的に測定できるのが特長です。
強みは、光が細く直進性が高いことです。スポット径を小さくできるため、細いエッジや小型部品、狙った一点だけを見たい場面で有利です。さらに長距離でも光が広がりにくく、一定の条件下では数m以上の検出や測距にも対応できます。
一方で、レーザーは万能ではありません。測定値は「戻ってくる光の状態」に依存するため、黒い物体や鏡面、透明体などは難易度が上がります。導入時は精度スペックだけでなく、対象物と環境の条件まで含めて成立性を見極めることが重要です。
レーザーセンサーの基本構成
レーザーセンサーは大きく送光部・受光部・信号処理部の3ブロックで構成されます。送光部は半導体レーザーなどの光源と投光レンズでレーザー光を整え、狙った方向へ照射します。
受光部は受光レンズで反射光または透過光を集め、フォトダイオードやCMOSなどの受光素子で電気信号に変換します。距離や変位を高精度に出したいタイプでは、スポット位置を読むためにラインセンサーやCMOSが使われることがあります。
信号処理部は、微弱な光信号を増幅し、ノイズを抑え、A/D変換や演算、補正を行って出力します。反射を検出するのか透過を検出するのか、また三角測量やToFなどの測距方式により、受光素子や演算内容が変わる点が実務上のポイントです。
距離測定の仕組み(反射光を使う原理)
レーザーセンサーの距離測定は、反射光の“時間・角度・位相”といった情報を読み取り、距離に換算することで実現します。
レーザーで距離を測る基本は、対象物に当たって戻ってきた光を受け取り、その戻り方に含まれる情報から距離を計算することです。単に「光が戻ったかどうか」ではなく、「どのくらい遅れて戻ったか」「どの角度で受光部に入ったか」「変調波に対して位相がどれだけずれたか」などを使って数値化します。
代表的な考え方は3つあります。近距離では、反射点の位置が変わると受光素子上の結像位置が動く性質を利用します。中長距離では、光が往復する時間を測るか、連続光を変調して位相差を測り、飛行時間に換算します。
実務で重要なのは、距離の計算そのものより「安定して反射光を受けられる条件」を作ることです。角度や背景の反射、対象物表面の状態で戻り光が変動すると、センサーは距離変化として解釈してしまいます。方式の選択と設置条件の最適化が、精度の土台になります。
レーザーセンサーと光電センサーの違い
レーザーセンサーは広義には光電センサーの一種ですが、光源特性と測定目的の違いから、得意領域が分かれます。
光電センサーは、光を使って物体を検出するセンサー全般を指し、レーザーセンサーもその一種です。ただ現場では、LED光源で有無検出をする一般的な光電センサーと区別して「レーザーセンサー」と呼ばれることが多いです。
違いの中心は光の性質です。レーザーは指向性が高くスポットを小さくできるため、細い対象や遠方でも狙いやすく、位置・距離・変位といった数値測定に向きます。一方、LED光の光電センサーは比較的安価で、単純な有無検出や工程監視で導入しやすいのが利点です。
使い分けのコツは、必要な情報の粒度で決めることです。通過検知や詰まり検知など、結果がオンオフで足りるなら光電センサーが合理的です。位置ズレ量を管理したい、段差の微小変化で不良を見つけたいなど、数値として管理したい場合にレーザーセンサーが効きます。
レーザーセンサーの種類と測定方式
レーザーセンサーは大きく「受光量で判定するタイプ」と「位置情報から距離・変位を算出するタイプ」に分けられ、用途に応じて方式を選びます。
レーザーセンサーは、光の強さをしきい値で判定するタイプと、光の位置や時間情報から距離を計算するタイプに大別できます。前者は有無検出が中心で、後者は距離・変位測定までカバーします。
同じレーザーでも、測定したい量が違うと最適な方式が変わります。例えば「確実に検出したい」なら透過型が強く、「狙った一点の高さ変化を見たい」なら三角測量が有利、「数十m先まで測りたい」ならToFが現実的です。
重要なのは、方式はスペック表の数値だけでは選べないことです。対象物の反射特性や背景、外乱光、粉塵などの条件で、カタログ上の精度が出ないケースがあります。方式ごとの誤差の出方を理解すると、失敗が減ります。
受光量判別型(しきい値判定)
受光量判別型は、戻ってきた反射光や、透過してきた光の強度が設定したしきい値を超えるかどうかで判定します。基本はオンオフ判定で、簡易的に位置判定をする機種もありますが、主用途は有無検出です。
仕組みがシンプルな分、対象物の色や反射率の影響を受けやすい点が注意点です。黒いワークは光を吸収して受光量が落ちやすく、白や金属は強く戻りやすいため、同じ距離でも判定余裕が変わります。
安定させるには、しきい値設定だけに頼らず、設置距離を短くする、背景の反射を避ける、回帰反射板を使うなど、光が戻る条件を作ることが有効です。
位置判別型(距離・変位測定)
位置判別型は、受光素子上のスポット位置、レーザーの往復時間、位相差などの情報を演算して距離や変位を求めます。オンオフの検出だけでなく「何mmずれているか」を数値で出せるため、品質管理やフィードバック制御に向きます。
現場での価値は、しきい値に頼らない管理ができることです。例えばワークがあるかどうかだけでなく、高さが許容範囲に入っているか、段差が何µm変化したかを連続監視でき、不良の予兆を早期に捉えやすくなります。
一方で、演算の前提として反射光を安定して取得する必要があります。表面状態で反射が乱れると、測定値が飛ぶ、ノイズが増えるといった形で問題が出るため、対象物と方式の相性確認が重要です。
三角測量方式
三角測量方式は、投光部と受光部の位置関係と、受光素子上の結像位置から距離を算出します。距離が変わるとスポットの受光位置が移動するため、その移動量を幾何的に距離へ換算します。
近距離で高精度を出しやすく、スポット径を小さくできる機種も多いため、小物体やエッジ検出、段差測定に強い方式です。製造ラインの高さ検査や寸法測定でよく使われます。
注意点は、測定レンジが比較的限られることと、表面状態で誤差が出ることです。鏡面は正反射で受光部に光が入らない場合があり、透明体は屈折や透過で反射点が不安定になります。対策として、入射角をずらす、拡散反射するターゲットを貼る、別方式へ変更するといった判断が必要です。
ToF方式(時間計測)
ToF方式は、パルス状のレーザー光を出し、戻ってくるまでの往復時間から距離を求めます。原理はシンプルで、距離が長くなるほどこの方式が選ばれやすくなります。
長距離対応や高速移動体への追従に強く、屋外用途や広い空間での測距に適します。LiDARの多くもToF系で、周囲までの距離を大量に測って空間を把握します。
一方で、霧・雨・粉塵などで散乱や減衰が起こると戻り光が弱くなり、測定レンジが短くなったりノイズが増えたりします。設置場所の環境条件を見落とすと、カタログ値との差が出やすい方式です。
位相差方式
位相差方式は、強度を変調した連続光を照射し、戻り光との位相差から距離を求めます。飛行時間を位相として測るToFの一種で、パルスToFより精度側に寄せやすいのが特徴です。
中距離までで安定した精度が求められる場面に向きます。位相として平均化しやすい設計では、ノイズや外乱の影響を抑えやすく、距離のばらつきを小さくできる場合があります。
注意点は、位相は周期性があるため距離に曖昧性が出ることです。想定距離範囲を超えると折り返し誤差が起きる可能性があり、機器側の多周波処理などで対策していても、適用レンジを守ることが前提になります。回路が複雑になりやすく、コスト面でも上位機種になりがちです。
透過型と反射型(設置形態)
透過型は送光部と受光部を向かい合わせ、光路が遮られるかどうかで検出します。光が必ず受光部に届く設計にできるため、対象物の色や反射率の影響を受けにくく、安定性を優先した有無検出に向きます。
反射型はセンサー一体で対象物に当て、反射光を受けて検出します。片側設置で済むため取り付け自由度が高い一方、対象物の表面状態や角度で戻り光が変わるため、安定動作には現物確認が欠かせません。
回帰反射は反射板を使い、戻り光を強く安定させる折衷案です。配線や設置を簡単にしつつ、反射型の不安定さを抑えたいときに有効ですが、反射板の汚れやズレが故障と同じ影響になる点に注意が必要です。
メリット・デメリット
導入効果を最大化するには、レーザーならではの強みだけでなく、誤差要因や安全・コスト面の弱点も把握しておくことが重要です。
メリットは、非接触で高精度に測れることです。ワークに触れないため傷や変形を起こしにくく、清浄度が求められる工程でも使いやすいです。さらに指向性が高く、狙った場所だけを見られるため、小物体の検出やエッジの位置決めなどで効果が出ます。
もう一つの利点は、測定の自動化と再現性です。人の目視や接触測定ではばらつきや工数が問題になりがちですが、レーザーセンサーは同じ条件で繰り返し測れるため、工程能力の改善やトレーサビリティ強化につながります。
デメリットは、対象物と環境に左右されやすいことです。黒色・鏡面・透明体、粉塵やミスト、外乱光などで誤差や不安定が出ることがあります。またレーザー安全対策や、光学窓の清掃など保守も必要です。価格も一般的な光電センサーより高くなりやすいため、必要な性能に対して過剰品質になっていないかを確認すると投資効率が上がります。
主な用途・使用例
レーザーセンサーは産業用途を中心に、検出から精密計測、移動体の認識まで幅広く活用されています。
レーザーセンサーは、工程の有無検出のような基本用途から、寸法・段差・振れなどの精密測定、さらには空間認識まで守備範囲が広いのが特徴です。目的に対して方式を合わせることで、検査の自動化や制御の高精度化が進みます。
導入効果が出やすいのは、タクトが速い、止められない、触れられない、といった条件がある工程です。非接触で高速に測れるため、ボトルネックになりやすい検査や位置合わせ工程の改善に直結します。
一方で、用途が広い分だけ「どの情報が必要か」を曖昧にすると失敗しやすいです。有無が分かればよいのか、距離の数値が必要なのか、どの範囲の変位を監視したいのかを先に定義すると、機種選定と立ち上げがスムーズになります。
製造ラインのワーク検出・検査
製造ラインでは、コンベア上のワーク有無検出、流れ方向の詰まり検知、位置ズレ検知に使われます。レーザーはスポットが小さく、狙った部位だけを検出できるため、隣接ワークや背景に引っ張られにくい設計が可能です。
簡易検査としては、高さや段差、反りのチェック、組み付け後の位置確認などにも使われます。接触式の検査治具が不要になり、段取り替え工数を減らせることがあります。
非接触・高速タクト・繰り返し測定の強みは、検査の自動化だけでなく、工程内でのフィードバックにも効きます。異常を検知した時点で停止や排出、補正に繋げると、不良の流出だけでなく不良の発生数自体を減らせます。
工作機械の位置決め・寸法測定
工作機械では、原点出しやワークの位置決め、工具やワークの寸法・段差・振れの測定に利用されます。µmオーダーの精度が求められる場面では、三角測量などの高精度タイプが選ばれます。
精度を出すには、機械側の熱変位や振動、ミスト付着を含めた設計が重要です。センサー単体の精度が高くても、温度ドリフトや光学窓の汚れで測定値が動けば意味がないため、取付剛性や保護構造、定期清掃の運用が効きます。
また、狭い空間や切粉が舞う環境では、測定点を守る工夫が必須です。エアパージや保護カバー、背景物の反射抑制を入れると、立ち上げ後のトラブルが大きく減ります。
ロボットの位置・姿勢制御
ロボットでは、アーム先端の距離フィードバックによる位置補正、ピッキングの高さ合わせ、移動ロボットの障害物検知などに使われます。視覚だけでは難しい距離の確定を、レーザーの数値で補うことで制御が安定します。
重要になるのは応答速度と同期です。ワークが動いている場合、サンプリング周期が遅いと追従できず、正しい距離でも制御に使えません。制御周期に合わせた測定周期や、トリガ入力で同期できる機種が扱いやすいです。
ADAS・自動運転・ドローン
ADASや自動運転、ドローンでは、ToF系のLiDARを含むレーザーセンサーが距離・3D認識に使われます。周囲の障害物との距離を多数点で取得し、地図化や衝突回避、対地高度維持などに役立ちます。
屋外では太陽光や反射、天候の影響が大きく、室内のように条件を固定できません。そのため、外乱光への耐性、霧や雨での性能低下、対象物の反射率変動を前提にした冗長設計が重要になります。
安全規格の観点も欠かせません。人に向けて照射する可能性がある用途では、レーザークラスや安全設計が製品選定条件になり、運用時も直視や反射光への配慮が求められます。
レーザーセンサーの選定ポイント
「測りたい対象」「必要精度」「環境条件」「接続方式」を具体化すると、方式と機種の絞り込みができます。
選定で失敗しやすいのは、距離レンジと精度だけで決めてしまうことです。レーザーは対象物と環境で挙動が変わるため、カタログスペックが出る前提条件を自社の現場で満たせるかが重要になります。
まず用途を「有無検出」なのか「距離・変位の数値が必要」なのかに分け、次に対象物の材質・表面状態、設置スペース、外乱光や粉塵の有無を整理します。その上で方式を選ぶと、後戻りが少なくなります。
最後に、制御とのつなぎ方を確認します。どれだけ測れても、PLCやPCに取り込めなければ価値が出ません。現場の配線・制御構成まで含めた総合設計が選定の本質です。
測定距離・精度・スポット径
最初に、最小距離と最大距離の両方を明確にします。近すぎて測れない、遠すぎて信号が弱い、といったミスマッチは多いため、設置位置の候補と可動範囲を含めてレンジを定義します。
精度は「分解能」「繰り返し精度」「直線性」を分けて確認します。現場では、絶対値の正しさよりも、同じ条件で同じ値が出る繰り返し精度が効くケースが多いです。例として、段差検出や振れ監視は繰り返し精度が支配的になります。
スポット径は見落としがちな要点です。小物体やエッジを狙うならスポットが大きいと背景も一緒に拾い、値が鈍ります。一般に近距離高精度なら三角測量、長距離ならToFが候補になりやすい、といった形で方式へ落とし込みます。
対象物の材質・色・表面状態
レーザー測定の難易度は、対象物がどのように光を返すかで決まります。黒や低反射材は戻り光が弱く、鏡面は正反射で受光できないことがあり、透明体は透過や屈折で反射点が安定しません。
対策は大きく3つあります。設置角度を変えて正反射を避ける、測定面に拡散反射のターゲットを追加する、対象物に強い方式へ変更する、です。例えば鏡面で三角測量が不安定なら、角度調整やターゲットで改善する場合があります。
重要なのは、問題が起きてから設定で無理に吸収しないことです。戻り光が物理的に不安定な条件では、しきい値やフィルタで一時的に良く見えても、工程ばらつきで再発します。成立条件を先に作る方がトータルコストが下がります。
使用環境(粉塵・外乱光・温度)
粉塵・ミスト・霧は、光の散乱や減衰を起こし、戻り光の量と安定性を下げます。測定レンジが短くなるだけでなく、ノイズが距離変動として現れることがあるため、環境の清浄度を前提にしない設計が必要です。
外乱光は、太陽光や照明だけでなく、溶接光のような強い光も含みます。波長フィルタや変調方式で抑える機種もありますが、根本的には受光部に外乱光が入りにくい遮光、設置方向の工夫が効きます。
温度ドリフトや結露、振動による光軸ズレも無視できません。必要な保護等級(防塵防滴)を確認し、光学窓の保護、エアパージ、取付剛性の確保まで含めて仕様化すると、長期安定性が上がります。
設置と調整の基本
レーザーセンサーは設置角度・距離・背景条件で性能が大きく変わるため、基本手順を押さえるだけで立ち上げ時間と不具合を減らせます。
まず、メーカー推奨の基準距離付近に設置し、光軸が測定点に安定して当たる状態を作ります。距離がレンジ端だと戻り光や演算の余裕が減り、わずかなズレや汚れで不安定になりやすいです。
次に、背景と角度を整えます。反射型では背景物の反射が誤差源になるため、背景までの距離を離す、背景を低反射にする、入射角を調整して背景反射を受けにくくする、といった対策が効きます。鏡面や透明体では正反射や透過の影響が出やすいので、角度調整の優先度が上がります。
最後に、設定は現物基準で詰めます。オートチューニングがあっても、ワークばらつきと環境変動を含めた最大最小で余裕があるかを確認し、必要に応じて平均化やフィルタ、判定ヒステリシスを適用します。初期立ち上げ時に「最悪条件で安定するか」を見ることが、後工程の手戻りを減らします。
うまく測れないときの原因と対処
不安定・測れない原因は「光が戻らない」「戻る光が変動する」「外乱を拾う」「設定が合っていない」に大別でき、切り分けが有効です。
まず疑うべきは、光が受光できていないケースです。鏡面で正反射になっている、透明体で透過している、距離がレンジ外、スポットが測定点から外れている、といった原因で起きます。対処は、角度を変える、測定点を変える、ターゲットを貼る、方式を変える、の順で検討します。
次に多いのは、戻り光が変動して測定値が揺れるケースです。ワークの表面粗さが変わる、汚れが付く、搬送姿勢が変わる、背景が一緒に見えているなどが原因になります。安定化には、スポットを小さくする、背景距離を取る、平均化設定を使う、治具で姿勢を安定させる、といった対策が有効です。
外乱光や粉塵・ミストも不安定の典型要因です。遮光や保護等級の見直し、光学窓の清掃、エアパージで改善することがあります。最後に設定を確認し、しきい値が余裕不足、レンジ設定が不適切、応答速度が速すぎてノイズを拾っている、といったパラメータ起因を潰すと、切り分けが早くなります。
メンテナンスと安全上の注意(レーザークラス)
性能維持には光学部の清掃・定期点検が欠かせず、同時にレーザークラスに応じた安全対策(直視防止など)を徹底する必要があります。
メンテナンスで最も効くのは、光学窓やレンズの清掃です。粉塵や油膜が付くと受光量が落ち、距離値のノイズ増加や検出不良に直結します。清掃周期は環境次第ですが、トラブルが出てからではなく、点検表に組み込んで予防する方が結果的に停止時間を減らせます。
次に、取り付け状態の点検です。振動や衝撃で光軸がずれると、測定値が徐々に変わることがあります。固定ネジの緩み、ブラケットのたわみ、ケーブルの引っ張りによる微小な角度変化まで確認すると、原因不明の不安定を減らせます。
安全面では、レーザークラスの表示を確認し、直視しない運用を徹底します。特に調整作業時は、反射光が予期せぬ方向へ飛ぶことがあります。人の動線に照射しない配置、注意ラベルの周知、必要に応じた保護具の使用など、機器選定と同じレベルで運用設計が重要です。
レーザーセンサーとはの要点まとめ
最後に、方式選びと運用で押さえるべき要点を短く整理し、目的に合った導入判断につなげます。
レーザーセンサーは、レーザー光の反射光や透過光を使い、非接触で有無検出から距離・変位測定まで行えるセンサーです。スポットが小さく指向性が高いため、小物体・高精度・長距離といった条件で強みを発揮します。
方式は、受光量判別型(しきい値で有無中心)と位置判別型(距離・変位を演算)に大別され、三角測量は近距離高精度、ToFは長距離、位相差は中距離高精度寄り、という整理が実務的です。設置形態としては、安定性重視なら透過型、自由度重視なら反射型、簡易さと安定のバランスなら回帰反射が候補になります。
選定の本質は、カタログ精度よりも「対象物の反射特性」と「環境条件」を含めて成立させることです。距離レンジ・スポット径・インターフェースを用途に合わせ、設置角度と背景条件を整え、清掃と安全対策を運用に組み込むと、レーザーセンサーの性能を安定して引き出せます。
カツラ・オプトのオートコリメーター
レーザーセンサーの性能を安定して引き出すには、方式選定だけでなく「狙った位置へ光を正しく導く」「光軸を再現性よく合わせる」といった光学系の作り込みも重要です。カツラ・オプト・システムズのオートコリメーターは、レーザー光を整えて平行光化し、評価・調整・光学系構築の場面で光軸合わせや条件出しを支援します。センサーの成立性検証や装置立ち上げ時の再現性向上に、光学部品の活用もあわせて検討すると効果的です。